2011年11月19日土曜日

広がる自由貿易圏。孤立した国はどうなるの?

2011年11月10日に前回にも書きましたが、野田首相の「TPP交渉参加のための協議開始」の発言がありましたね。
 これは、世界中に自由貿易圏が広がりつつある現状を憂慮しての決断でしょうね。
 過去に農業分野での自由化した品目がありましたね。まあ、野菜類は関税が今では低く設定されているとか。ネギでしたか、確か4%と聞いています。高額商品なら4%でも負担は大きいですが、消費者のネギの1回の購入量はどのくらいなのでしょうか。
 過去にあった例ですと、「オレンジの輸入自由化」では、「日本のミカン農家は壊滅」とか反対運動もされたみたいですが、多くの産地がしぶとく生き残り、カナダなどには「テレビオレンジ」とかの愛称で輸出していますよね。円高の方が自由化より大敵でしょうね。
 「サクランボ」も自由化されてますね。その後の農家の取り組みで「高品質の生食用」で栽培面積も自由化当時より広くなった山形県の例などもあります。これは、自由化が切っ掛けで品目変更に挑戦した結果ですね。そして、世界的に見て「高価格」の米も輸出しています。もっと、大規模経営が出来れば、よりリーズナブルな価格での輸出が出来るでしょうね。
 それと、確か、何年か前までは中国漁船が東シナ海で漁獲した魚を福岡市などで水揚げしていたのが、今は中国の港に行っているようです。母国の方が高く売れるからだということでした。何年か前に北海道で「なまこ」の盗難がありましたね。これは「中国向け」で生産していたのが盗まれたとか。
 水産物の洋上での買い付け競争というのもあります。そこでは、日本はよく負けているとか。今のところ、まぐろは大丈夫なようですが、海外の「寿司」や「刺身」のブームがさらに広がれば、これも「買い負け」の可能性がありますよ。
 アメリカでは、遺伝子組換えでない大豆生産より、日本に売れなくても遺伝子組換えの大豆の方向ですよ。巨大市場が現れてきましたからね。
 「カップヌードルご飯」のご飯に使っている米はカルフォルニア米ですよね。これは、日本の農産物輸入規制が小麦であったり、「米」であって、加工品が含まれていないからですね。あの餃子事件もこのような規制なので、中国のメーカーに委託生産させていたからでしょうね。この調整品といわれる分野での食品輸入が多いのでは。
 そこら中で、海外の動向から置いてけぼりを食った上に、工業製品やサービス分野などで「自由貿易圏」に入っていないばかりに輸出ができないというか、海外に輸入して貰えないために工場が海外に流出することになれば、兼業農家も含めて失業者は増加するでしょうね。現にパナソニックは2012年での調達金額で3000億円ぐらいを海外からにすると2011年11月19日の夕刊にでていました。パナソニックはこのほかにも兵庫県尼崎市のプラズマディスプレー工場を部分的に閉鎖するとか。これで約1000人解雇というのです。これは大都市の話ですが、地方都市や農村にも工場はありますね。兼業農家の多くはこのような工場に働きにも出ていますね。どうするのでしょう。兼業農家のほとんどは農外収入の方が多いということです。
 現に「980円ジーンズ」とかの競争で岡山県井原市では、ジーンズ工場の閉鎖が相次いだとか。海外の方が安いからとね。まあ、これは国内事情によるものですが、これと同様のことが起こりかねないわけです。
 EUがなぜあそこまで急速に拡大したのかといえば、それは「EUは巨大な自由貿易圏」だからです。それで、各地で自由貿易圏を作ろうとしているのが今の状況でしょうね。どうしても、同じ貿易圏の国との貿易に傾いていくからですね。ロシアも経済圏の再構築に大きく舵を切ろうとしています。
 現状では、日本はどこの貿易圏に属さない世界的に見て珍しい孤立した国になりそうで心配です。

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