2010年8月4日水曜日

若い人たちへ「あきらめず、がんばれ」

 7月31日の日本経済新聞文化面の私の履歴書の見出しです。ノーベル化学賞を受賞された下村博士が7月分を執筆されてその最終回でした。
 日本での講演会に招かれ、講演後のパネル討論の場で若い参加者からの質問に「研究で成果が出ず、行き詰まったときはどうすればいいか」というのがあったというのです。
 その時に答えとして「がんばれ、がんばれ」だったというのですね。詳しくは新聞でね。博士自身、よく行き詰まったそうです。その時は「ただ、簡単にはあきらめない。うまくいかなかったら考え直して、別なやり方を試してみる。ダメだったらもう一度。それを何度も繰り返す。それだけだ。」というのです。
 今の日本では、「何度も繰り返す」ということが難しくなってきているのかもしれないですね。別の意味の「何度も繰り返す」というのは盛んですね。後のほうは「考えない」や「指示されたことだけ」ですかな。
 「考えない」ということが、「難しいテーマ」をしたがらないというのにも通じるし、世間が待てなくなってきていることも大きいですね。事業仕分けでは「即効性」や「話題性」が求められてきているようですから、地道な基礎研究というのは不利ですね。
 でも、下村博士のGFPはオワンクラゲの発光物質研究では副産物的でしたね。そして、この研究自体も研究しているときから生命科学での活用など考えていなかったと。単に発光現象の解明という好奇心が今日の成果をもたらしたわけですから、日本も下村博士がアメリカで出来たような「基礎科学研究」に多くの研究者が金銭的な心配をせずに打ち込める体制を作る必要があるのですが、今は「逆行」してますね。
 基礎科学分野の研究が崩壊の手前まで来ています。崩壊すれば、応用的分野の研究も崩壊、ひいては日本の崩壊に繋がることを国会議員は勉強して下さい。
 経済の分野でも、「法人税増税」と「雇用の拡大」をセットで唱えている政党がありますが、法人税負担などに耐えられなくなって、工場が海外に出て行っているのをご存じないみたいです。民主党も最低賃金引き上げね。賃金は高いほうがいいのですが、工場が閉鎖されて海外に移転したらどうします。そのあたりのバランス感覚がない方々が国会議員には多いですね。

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