2010年8月12日木曜日

A級戦犯についての一考察

 8月15日が巡ってきますね。そして、例年のごとく「靖国神社参拝」でいろいろごたごたしますね。今年の民主党主体の内閣は閣僚全員が参拝しないとしたということです。これは、民主党にしては珍しく「英断」のほうにはいると思います。
 というのも、先の戦争における靖国神社やA級戦犯などの関わりについて、日本は通り一遍の歴史教育および政府談話とかで逃げてきていますね。ドイツみたいに正面から取り組んでいない。
 東条英機はあの時、たまたま現役大将で陸軍大学を主席で卒業していたから「首相」になったと聞いています。もし、主席ではなかったら別の大将が首相になっていたはずです。そして、当時の状況は「集団ヒステリー」の状態で正常な意見を言おうものなら「袋だたき」かな。
 司馬遼太郎氏が「雑談 昭和への道」の中で、『ソビエトに派遣された駐在武官が、ソビエトの軍備について事実を報告しただけで「恐ソ病」というレッテルを貼られ、出世が止まった。」と述べられています。これによく状況は今の時代でもみられます。怖い怖い。ノモンハン事件でソ連の機械化部隊に死傷率75%以上という完全全滅的な損害を受けながら、対策は取らず、「箝口令」で封印したというのです。
 ようは、正常な状態で正常な討論が出来ない状態に陥ってしまっていたということですね。その結果が、ヒトラーみたいなリーダーなしで集団で暴走していったということになるのです。それを最後の最後に止めたのが昭和天皇とその側近かな。
 この集団暴走で活用されたのが、日露戦争でも活用された手法「軍神」とかですね。司令部の作戦ミスを「軍神」によって打破したとね。日露戦争での「爆弾三勇士」ももともとは乃木と伊地知の第四軍司令部の不明によるところです。司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」や「雑談 昭和への道」などから読み取るとこうなります。この失敗を誤魔化すのが最大目的みたいな「軍神」がその後やたらと出現するというのです。
 このような精神論は、いつしか「世界最先端の兵器」(日清・日露戦争時)を持っていた国が「元亀天正の信長軍の兵器に毛の生えた程度の兵器」でアメリカとかを相手に戦争を始めることになってしまったのです。まあ、満州事変を仕掛けたある日本軍軍人とかはいますが、それを上層部が放置したのですから、同罪かな。
 戦後、65年になりますが、この「集団ヒステリー」の状態にどうして陥ったのか、今後、このような状況にならないようにするにはどうすればよいのかということが置き去りにされたままなのが日本なのです。
 だから、若手官僚が持っていた「改革」への情熱が出世とともに「消えて」いってその役職に就くと前任者の思考パターンになり、硬直化した思考になっていっている現状と当時の戦争へと突き進んでいた状況とが重なってしまうのは私だけでしょうか。
 今の民主党もひょっとしたら、集団ヒステリー状態???とも感じられます。
 靖国神社は当時の権力に従っていただけ?。その権力、A級戦犯も集団ヒステリーに振り回されていたと。だれも止めることが出来なかった、天皇以外は。戦後するべき作業をしていない(特に自由民主党かな)ために起こっている問題とも考えられます。 
 昭和天皇に死を覚悟させるような事態になったいきさつ、そして、戦後、そのようなことが二度と起きないように自らの内面からの反省「自己解剖」をしていなかったツケを払い続けているのが現状だと思います。

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