2007年12月20日木曜日

耳にある聴細胞は消耗品

12月15日の日本経済新聞土曜日「NIKKEIプラス1」にあった「ヘッドホーンと聴力」との関係についての記事がありました。
現在では、工場などでの騒音による難聴は昔より減っているということですが、それ以外の要因による難聴が増えているとか。その原因の一つが「ヘッドホーン等」での大音響ですね。
その昔、ある造船所を見学したときにそこの産業医の方の講演を聴く機会がありました。その時、その当時、船を造るときにまだ「リベット打ち」が多く残っていた時期であったと思います。
内容は、作業現場の労働者では難聴になる者が出ていている。それで、対策を講じているとことでした。ところが、騒音とは関係ないはずの事務や設計部門などの職場の職員に難聴の者がよく出てくるので調べたら、「ヘッドホーン」で音楽を大音量で聴いているというのが多数いたとお話しされました。
音楽や語学であっても大音量で聞き続ければ難聴になっていく可能性が高いわけですね。どうしてでしょうか。
それは聴覚の仕組みと関係しているのではと思います。記事では、強い光は「まぶたを閉じる」とかで短時間で和らげることができますね。ところが、普通の状況で音は遮断できないというものです。だから、大音量に晒されている間、常に聴細胞が酷使されているということになりますね。
聴細胞が興奮して聴覚を感じるまでの仕組みは音の振動を鼓膜で膜の振動に変え、それを耳小骨では固体の振動にして増幅しているというのです。この耳小骨の振動が内耳のうずまき管の入り口の卵円窓で前庭階のリンパ液の振動に変えられます。この振動が鼓室階のリンパ液を振動させ、鼓室階の基底膜を振動させます。そうすると基底膜のうずまき細管側にあるコルチ器の聴細胞が振動して、感覚毛が多い膜に触れて興奮して漸く聴覚が生じます。
強い音であるほど、感覚毛が激しく「おおい膜」に激突することになります。この感覚毛が損傷してしまえば、振動しても「おおい膜」と接触できないので聴覚が生じなくなるということです。この感覚毛は再生しないということです。感覚毛は「再生しない」し「交換できない」消耗品なのです。
大切に使いましょうね。この手の難聴は高音域からということです。高音域を感じる部分が手前にあるからです。ヘッドホーンだけではなく、日常的に大音量は止めて控えめな音量にしましょう。
ネットにあった第15講 動物はどのように刺激を受け取るの?--感覚器のはなし--が耳の仕組みを解りやすく図入りで説明していました。

この書き込みのメールマガジンの申し込みはまぐまぐのページでお願いします。
img00351.jpg

0 件のコメント: