2010年2月21日日曜日

機能不全家族

 2月20日放送の報道特集NEXTで『心病む少女たちの「思春期精神科病棟」』というのがありました。そこに登場したのが親から無視や虐待(ことばによる虐待を含む。)を受けて傷ついた少女たちでした。また、周りから理解もされなかったという問題点も。
 「思春期の少女たちを専門に治療する病棟を備えた精神科病院」を開設した医師は儲けを度外視して運営しているということです。彼女たちの心を開き、彼女たちを愛する人(この場合、本来は親ですが)がおり、彼女たちの存在を必要している人(こちらも本来は親ですが)がいることを感じて貰うために苦悩しているというものです。
 登校拒否において、「甘え」といって無理矢理登校させようとする場合が多いのですが、大抵は「乳児期や幼児期で親に甘えることが出来なかった」結果で、幼児帰りをしているというようです。それを日本は長らく理解していなかった。リストカットもその家庭環境に問題があって、救いを求めているサインのはずが、理解している人が少ない。このようなことは、少女だけではなく、男でも起こっています。それが、DVなどの形でも表面化していると思います。
 機能不全家族ですが、目に見える虐待やはっきりことばでの虐待だけではなく、一見「普通の家族」でも起こりうるのです。あるカウンセリングの研修会で不登校の生徒とのカウンセリング例で、父親が欠席が多く、考査勉強が十分出来ない状態で受けた期末考査の結果を見て、「おまえより成績の悪いのがおるのか。}とビリでないことを言った冗談で生徒が救われたとか報告していました。この父親、自分の子どもを順番でしか見ていないのかという思いが起こりました。子どもにとっては「存在している」ことを親に認めてほしい、そして、「存在している」ことをだけで愛してほしいと思っているのに、他者との比較でした認められないというのは非常に悲しいことだと思います。「存在」していると子だけで愛されるということで、必要とされているということも感じ取っているのではと思います。子どもの居場所が存在すということになると思います。
 このためには、親が子育てに時間を取れるように産休や育休を取りやすくする必要ですね。収入にも配慮した制度ですね。それと、普通は自分の育った家庭をよい家庭と思い込んでいます。その育てられ方がそのまま、自分の子を育てるときにでてくるのです。それが、世間でいう「虐待の再生産」とかになると考えられます。こちらの問題を解決するのは非常に難しいと思いますが、小中高校での教育、妊娠期からの啓蒙や母親教室、父親教室や子育て家庭の交流なども一つの方法になると思います。難しいですね。

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