2010年2月25日木曜日

どのように取り扱うのかな。「東京都で日本史必修」

 2月25日に朝日新聞のサイトで見つけた記事に『都立高で日本史必修に 独自科目「江戸から東京へ」新設』というのがありました。国際化に対応して始めた「世界史必修」が惨めな状況になっていると思われます。その二の舞だけは避けてほしいですね。
 「世界史必修」では、理念より「消化」が先に立っていたり、「受験対策」のためであったりとかで、歴史的な背景や意義を深く考える授業がされにくくなってしまったようですね。取り敢えず、「教科書消化」または「受験対策」。それが、何年か前の「未履修」問題となって発覚しているのですね。今回の東京都の決定もこの延長線上の扱いを受ける可能性が高いと考えられます。
 その原因は、「受験勉強」と「教養勉強」を切り離して別物と考える風潮の強さですね。それが、入試にでるから「勉強する」、でないから「勉強しない」という本末転倒もいえる勉強スタイルになってしまっていると思います。
 この状況を打破しない限り、横浜市や東京都などの取り組みも「時間消化」のためだけの授業になって、「早く済ませて・・・」ということにね。そのためには、入試において、高校での履修科目の大多数を基準点方式で試験をするほかないのでは。競争試験では、「皆でサボれば怖くない」とか「他の受験生より少しよければよい」というようなことで、勉強の手抜きの度合いに探り合いが起こると思いますし、現に起こっているとも思われます。
 一般教養の大切さを十分に周知して、内容や評価をよほど工夫しないことには、現状の受験勉強に飲み込まれてしまって、思ったほどの効果が出ないと思います。
 下手な歴史学習は、偏狭な国粋主義者を生むだけです。太平洋戦争までの歴史教育がそれにあたると思います。日本の歴史のよい点は勿論ですが、避けてはならない部分もはっきりと触れて教える必要があります。

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