2011年7月24日日曜日

科学技術力の最低限国際的水準の維持を

 2011年7月23日に中国で鉄道事故が起きましたね。それも、高速鉄道です。普通、高速鉄道は完全立体交差を前提にしていますね。そこでの事故は自己要因だということですね。
 報道によると、停電で停車した列車に後続列車が追突し、一部が高架橋から河川に転落したというのです。ドイツで1998年、ICE(高速鉄道)が脱線して、101人が死亡するというドイツで最悪の事故が起こっていますが、単独事故でした。
 ドイツの事故も今回の事故もどこか、問題があったわけですね。ドイツの事故では車輪の形状に問題ありということになりました。日本では、空気バネですが、当時、ドイツではスプリングバネ(堅い)だったためと聞いています。日本では、早くから使われていたバネでしたが。
 今回の中国の事故も、いろいろなことがあって追突を防ぐことが出来なかったということです。そこにあるのは高速鉄道の技術を消化吸収出来ていなかったということですかな。いろいろな国の技術を脈絡なく取り入れて、「自主開発」などと謙虚さナシに過信した結果ですかな。
 鉄道技術で、原理が簡単なようですが、活用のノウハウというのは一長一短では取り込めないということです。そして、新規開発もそうですが、一旦撤退などした分野の技術開発は新規開発以上の苦労と経費が掛かるようです。
 日本で鉄道技術が進歩しているのはJR各社や私鉄の競争ですね。それに車輌製造会社も一緒に競争しているからです。競争のないところに進歩はないのです。アメリカの自動車メーカーは近い状態に陥って、新車の開発能力を失いましたね。復活には時間が掛かっています。
 JR東日本は阪神大震災や中越地震の教訓を生かして、地道に努力をしていたので東日本大震災で脱線事故はなかったですね。270Kmで走行中の新幹線も安全に停車しています。そこには、技術の蓄積と継続とがあったからです。
 これからの日本の運命を左右するのは、科学技術の質と量ですね。世界一流で量も確保するには、今の国家予算や企業に対する優遇措置は非常に見劣りすると思います。企業については、工場だけではなく研究所も流出の傾向にあります。大学は研究費不足。非常に心配です。

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